認 活男【にん かつお】ブログ
認知症看護認定看護師の情報発信活動ブログ
看護・介護

せん妄を知っているかアンケート結果(医師への)

目次

せん妄とは

せん妄とは簡単に言うと意識の障害で、一時的に認知症のような症状が出ることを言う

認知症者に一番多いのは夜間の過活動性せん妄(活発に動くせん妄)で

  • 夕方から起こる
  • 注意障害が起こる
    (ソワソワした感じで落ち着かない。何度も同じことを聞く、今までできていたことが出来なくなる、話が回りくどくなる、質問と同じ答えが返ってくる)
  • 夜間不眠
  • 幻覚や妄想、それに近い症状が起こる
  • 病院であれば点滴を自分で抜く、廊下を徘徊する

といった症状が出てくる。(これざっくりですよ。ちゃんとした基準があります)

一般的に終末期のがん患者には低活動性のせん妄が多いといわれているが(ボーっとしているなど)ここでは一旦話を置いておく

せん妄を直接起こす原因は

せん妄の原因は色々あるが、高齢者や認知症者に多い最大の要因は

  1. 感染(肺炎や膀胱炎、骨折やコロナ感染症の予防接種なども)
  2. 脱水(高齢者は水分摂取はマメにすることが必要)
  3. 薬の変更や追加(風邪薬や胃腸薬という身近な物も原因に‼)

その他にも

  • 脳出血や脳梗塞
  • 腎臓や肝臓の機能が障害されている状態 等々

ざっくり言うと
何らかの体の症状がある事でせん妄を起こすという事

これは本当に知っておいてほしい。

病院ではせん妄を起こしたから、せん妄を抑える薬を服用しよう。
という話になるが、原因をわかっていないと

またせん妄を繰り返すので堂々巡り状態

例えば、盲腸による腹痛で痛み止めを飲んでいるが、盲腸の治療をしないと痛みが良くならないのと一緒

癌のように取り除けない原因は別として

ほとんどのせん妄は原因を取り除く事で改善する

せん妄になりやすくさせる因子もある

もう一つ重要な事

せん妄になりやすくさせる原因について

せん妄を直接起こす原因にはならないが、起こりやすくさせる原因

  • 痛み(起こりやすくさせるための最大の因子)
  • 便秘(高齢者多いので注意)
  • 排尿障害(おしっこが出ずらい、残尿感など)
  • 環境の変化(ショートステイの利用、引っ越し、入院)
  • 精神的苦痛(不安がある、抑うつ)
  • 身体拘束

代表的なものを上げてみた。

病院や施設では環境の変化が一番多いと思うが

他の原因にもアンテナを張っていないと気付くことはできないので注意

せん妄について医師への聞き取り調査

うちの病院(急性期)内の医師に
せん妄についてどれ位知っていますか?という聞き取り調査を行った

すると8割程度の医師が

大体知っているがあまり詳しくない。興味もあまりない

との結果に至った

特に50歳以上の医師は、あまり興味がない。との返答が多かった


もちろん高齢の医師でも勉強されている方は多いと思うのですが、

うちの病院に勤務する医師に関して思うのは
以前はせん妄という言葉がなく(イメージですが)、時代の変化とともに起こってきた症状という事も一つの要因ではないかと思っている

これから超高齢化社会を迎える中で、病院や施設に入院・入所する高齢者は多い

私たちは出来る限りのせん妄予防を行いながら、原因検索・治療を行っていく必要があるのではないかと思う

最後まで読んでくださりありがとうございました

ABOUT ME
認 活男
准看護師として認知症看護に関わり始め看護師へとステップアップ、在宅や介護保険制度に関わる知識が必要と考えケアマネージャーの資格を取りました。そんな時に同居している祖父がアルツハイマー型認知症と診断され家族としての介護がスタート。昼間は仕事で認知症の方と関わり、その他の時間は自宅で認知症介護という日々を送りました。精神的にも肉体的にも疲れましたが、その時の経験を生かして、認知症に苦しむ方達のために活動をしていこうと決意。認知症看護認定看護師の資格を取得して現在は認知症者本人やその家族、看護師・介護士からの相談や指導に関わっています