認 活男【にん かつお】ブログ
認知症看護認定看護師の情報発信活動ブログ
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ユマニチュードは介護を救う?ユマニチュードの解説と学会に参加しての感想

目次

ユマニチュードとは

ユマニチュードはケアをする技の1つで

  1. ケアの中心はケアを受ける人なので、その人の意向・ニーズ・価値観に配慮したケアを行いましょう
  2. ケアで重視するのはケアを受ける人との関係性を作る事ですよ

という哲学のもと作られたもので、4つの柱をもとに援助を提供していく

4つの柱を下の図にあげた。

①見るという事について

赤ちゃんにとっての視線を考えてみると、垂直の視線(下から見上げる)では天井しか見えず横を向いてもベッド柵や壁しかない。

寝たきりの高齢者も一緒で、垂直の視線では空間を認知する機会が減るので、水平(ベッドの頭をギャッジアップなど)になる姿勢とし目から入る情報量を増やすことが大切

一番やってはいけない事は、寝たきりの高齢者をわからない人と決めつけて”見ない”で援助する事


②話すという事について

介助をする側は、介助される側の人が話さないと自然と話をしなくなる
ポジティブな言葉を使い、明るい話し方をする事で必ず伝わるので無理をしてでも話をする

ケアの実況中継がおすすめ
「手を拭きますよ。あら、手の甲が赤くなっていますね。どこかに当たったんですかね」など

体を動かしてくれるようお願いをし、待つ
動かしてもらったらポジティブフィードバック


③触れるという事について

心地よい触れ方とは掌全体で下から支える。親指を使ってはさんだり掴んだりしない

また鈍感な場所から敏感な場所へ段階を踏んで触れていく

ホムンクルスの絵

敏感なところは大きく描いてあり、鈍感なところは小さく描いてある
小さな所から触れていくことが大事


④立つという事について

立つ=アイデンティティの柱(自分の認識の原点)
立てなくなる、歩けなくなる事は人にとって尊厳や自由を失う危機に繋がる

立って移動することは、人の認知機能の発達にとっても重要


私の経験とユマニチュード

今までの看護人生でユマニチュードの事を知ったのは、ここ1・2年の間であるが、実際あった出来事を紹介する

  • 寝たきりの方に対して体調がよさそうな時に、ベッドに座ってもらったら発語が増えた
  • 認知症があり暴力的な患者に対して、ネガティブな事を言わないようにして、ポジティブな言葉かけと本人のペースに合わせた援助をしたことで怒ることが減った
  • 以前助産師だった寝たきりに近い患者に、他の看護師がお産の経験について言葉かけをしたら発語があった

こういったことから、ユマニチュードのケア技術は効果があると考えられるが
私が思うのは

援助する側と援助される側という関係ではなく

人間と人間の関わりとして当然の事をやりましょう。という事ではないかと思っている

ちょっと長くなったので学会の最後にあった
認知症の権威長谷川先生の娘である南高まりさん、「聞く力」を書いた阿川佐和子さん、本田美和子代表の対談の感想については次回書くようにします

ここまで読んで頂きありがとうございました

ユマニチュード次の記事はこちら

ABOUT ME
認 活男
准看護師として認知症看護に関わり始め看護師へとステップアップ、在宅や介護保険制度に関わる知識が必要と考えケアマネージャーの資格を取りました。そんな時に同居している祖父がアルツハイマー型認知症と診断され家族としての介護がスタート。昼間は仕事で認知症の方と関わり、その他の時間は自宅で認知症介護という日々を送りました。精神的にも肉体的にも疲れましたが、その時の経験を生かして、認知症に苦しむ方達のために活動をしていこうと決意。認知症看護認定看護師の資格を取得して現在は認知症者本人やその家族、看護師・介護士からの相談や指導に関わっています