認 活男【にん かつお】ブログ
認知症看護認定看護師の情報発信活動ブログ
社会資源

看護師にも街をかえる事ができるはず(情報交換会)

目次

情報交換会が開催されるいきさつ

8月初旬に家族の相談を受けた

70歳後半になる父が自動車運転をしているが危ないので辞めさせたい
認知症じゃないかと指摘すると、すごく怒る
他にも

  • 物忘れがあり、さっき話したことを忘れてしまう
  • 田舎暮らしなので行き慣れた道での運転はいい。市内の運転をする時が危ない
    判断力が低下しているし、場所がわからなくなるみたい
  • 町内の役職をしている
  • コメを作っている事と、家庭菜園程度の農家をしている

との状況だった

私は
高齢者がドライビングシミュレーターを使用することで判断力の低下を自覚し、免許返納に応じる可能性がある

という事を思い出し、そのようなサービスがあるか自動車学校に行って聞いてみた
返答は

うちではそのようなサービスは提供されていない。
警察署で聞いてみたらどうですか?

という事で警察署へ・・・ 返答は

うちにはドライビングシミュレーターはありません。
予算も限られたものなので・・・
病院や関係機関と話をしていかないといけませんね

そうですか。残念です。と引き下がった

1週間後

警察・地域包括支援センター・社共・病院・市役所で車の運転について情報交換会がある。との報告がある

それから今日の話です

警察からの情報

県内の高齢者交通事故発生件数はあまり変化があっていない。

昨年交通事故発生件数が減ったのはコロナ感染症の蔓延により外出する機会が減ったからであろう

運転免許の自主返納件数は

  • 池袋の高齢者がブレーキとアクセルを踏み間違えた事件があった時に増加
  • 全体的にそんなに増えている印象はない

自主返納をした高齢者がアドバイザーとなり、返納してよかった点を話す活動をしている

と報告がある

地域包括支援センターや社会福祉協議会から

車を持たなくても送迎してくれるサービスや訪問してくれるサービスについて紹介がある

私の記憶に残った民間サービスは

  • 1時間2000円程度の家事や掃除などの援助
  • スーパーマーケットの電話注文+配達及び送迎サービス
  • とろみをつけた食べ物の配食
  • 理美容師の訪問カット
  • ヤクルトレディがヤクルトを届けた時に無事の確認をする
  • ペットの一時預かり

など、結構あるんだな。と感じる

役場から

乗り合いタクシーの紹介やマイカーで送迎してくれるサービスの紹介

他の市町村で行われているサポートの紹介がある

何か、ふーん。といった印象で
例えば買い物に行くとして、
帰りの時間が決められている事はストレスになるのではないかと考えた

やっぱり時間を気にせず買い物したいんじゃないかな

病院から

病院からは

年齢別の死亡事故件数や

70歳以上の66%の人は運転に不安を持っているという紹介
いつか免許返納する予定の人は71%、
免許返納しない理由は車が必要だらが60%
といったデータの紹介を行った

私も意見を言いました

最後に意見がある方~ とのアナウンス

認知症に優しい街づくりを目指すため

認知症に苦しむ人を減らすため

認知症者の介護で苦しむ人を減らすため

(勝手に思っているのですが・・・)

手を挙げて意見を述べました。


  • 高齢者が免許更新した際にアンケートをとり、要望を聞く活動をしている所もある
  • 免許更新で通ったけど、少し危なかった人に対して援助していく仕組みも必要
  • 高齢者の運転技能の再習得として、講習会を開くことも検討してはどうか
  • ドライビングシミュレーターを活用することで判断力の低下に気付く方もいる
  • 免許を返納した人は運転をしている人に比べて、要介護状態になるリスクは8倍、認知症になるリスクは4倍。また、自転車を使ったり公共交通機関を利用したりしても要介護になるリスクは高くなる

なので
高齢者が運転を辞めたその先を考える視点が必要
さらに、認知症対策が重要

もしかしたら事故が増える可能性もある

と発表しました

小さな一歩でしたが、

認知症に関わる方に優しい街作りを行う大きな一歩になりました

看護師にも街を変える事ができるはず

読んでくださりありがとうございました

ABOUT ME
認 活男
准看護師として認知症看護に関わり始め看護師へとステップアップ、在宅や介護保険制度に関わる知識が必要と考えケアマネージャーの資格を取りました。そんな時に同居している祖父がアルツハイマー型認知症と診断され家族としての介護がスタート。昼間は仕事で認知症の方と関わり、その他の時間は自宅で認知症介護という日々を送りました。精神的にも肉体的にも疲れましたが、その時の経験を生かして、認知症に苦しむ方達のために活動をしていこうと決意。認知症看護認定看護師の資格を取得して現在は認知症者本人やその家族、看護師・介護士からの相談や指導に関わっています