認 活男【にん かつお】ブログ
認知症看護認定看護師の情報発信活動ブログ
病院での出来事

虐待は悪か

目次

ある日の出来事

息子と2人暮らしでデイサービスを利用している認知症の方

息子は介護の為に長年住んだ都会から田舎の実家へ移り住み一人で介護をしている

週に3・4日(正確には忘れましたが)程デイサービスを利用しているが、施設側からしたら結構苦情を寄せることが多い家族との事で、親への愛情が強いが故に他人に愛情なく接されるのが気になるのではないかといった印象を受けた

そんなある日、いつものようにデイサービスを利用していた時、一人のスタッフが手首にあざがあるのを見つけた

痛みはなく転倒した様子もないようであったが、迎えに行ったときに”あざ”があったかを確認していなかったため帰りの送迎の時に謝罪した。

息子の答えは「朝からあったんですよ」との返答で、スタッフは苦情を言われるのではないかと思っていたのでホッと胸をなでおろしたとの事であった

息子の告白

それから数日間あざがある状態は続いていたが、ひどくなる様子はなかったのでデイサービスのスタッフは様子を見ていた。


しかし2週間ほどたっても良くなる様子が見られなかったので、息子と一番親しくしている職員が「あざが良くなりませんね。やっぱり高齢だからですかね」と聞いたところ、「いや親には申し訳ないけど夜はオムツを付けて、手をベッドに縛っているんですよ。(利用者の方が)夜動いて私もきついからですね

とバツが悪そうに話したとの事で、その告白を受けた施設スタッフからの相談でした

職場の上司に報告するかどうか・・・

息子から告白を受けたスタッフはすごく迷い、自分も相談を受けながら迷った

  • 虐待は報告する義務がある事
  • 虐待を報告すれば思いを伝えてくれた息子を裏切るような行為になる事
  • このまま何も言わなければ虐待は続き利用者の苦痛に繋がる。もしかすると命を落とす結果になるかもしれない事
  • 施設の利用を辞めてしまい、他の施設に行くだけで何も変わらない可能性がある事
  • 虐待を報告した結果として虐待が改善されるかわからないこと
  • 息子も悪いと思いながら行っている行為だが、虐待といわれたことで落ち込み、罪悪感を感じ、精神的に不安定にならないか(介護の為に長年暮らした街を離れる位、一生懸命である)

出した結果は

情報を整理して今後起こるかもしれないことを相談者と一緒に考えた結果、施設長に相談することになりました


  1. 黙っていても前に進まない事
  2. 第一に考えるべきは利用者の命である事
  3. 身体拘束をしたまま万が一の事があった場合、息子は自分を追い詰めてしまう可能性もある事
  4. 利用者に万が一の事があった場合相談者も自分を追い詰める可能性がある事
  5. 相談者がモヤモヤした気持ちのまま息子と接するのはストレスになる為

来週話をするようにしていますが、虐待の相談は難しい。
お互いの立場があるし、家族も苦渋の決断の結果行っている行為でもあるから。

でも上に書いた通り、優先すべきは利用者の命という事は肝に銘じておかないといけませんね

今後はまたブログでお伝えしようと思います

最後まで読んで頂きありがとうございました。

ABOUT ME
認 活男
准看護師として認知症看護に関わり始め看護師へとステップアップ、在宅や介護保険制度に関わる知識が必要と考えケアマネージャーの資格を取りました。そんな時に同居している祖父がアルツハイマー型認知症と診断され家族としての介護がスタート。昼間は仕事で認知症の方と関わり、その他の時間は自宅で認知症介護という日々を送りました。精神的にも肉体的にも疲れましたが、その時の経験を生かして、認知症に苦しむ方達のために活動をしていこうと決意。認知症看護認定看護師の資格を取得して現在は認知症者本人やその家族、看護師・介護士からの相談や指導に関わっています