目次
告知の重要性
「認知症を告知されれば絶対に落ち込む」と渡邊さんはおっしゃっていた
私の認識であるが
癌の告知については
“本人に知らせるべきか家族が迷う”という話は聞くが
認知症の人に告知をすべきかどうかを家族が迷う。
という話はあまり聞かない
記憶障害がある事が原因なのかもしれないが
認知症は癌と同じく”亡くなる病気”だ
認知症の中でも発症頻度の多いアルツハイマー型認知症は
10~15年で亡くなる
また、社会的な偏見もある
認知症=ボケという認識は田舎に行くほど強い。
だから
認知症=恥ずかしい病気という認識に繋がり
確定診断を恐れて受診を拒否したり、家から出ることをためらったりするのではないだろうか
このため、
- 認知症=脳の病気である事
- 積極的な社会参加をすることで進行を緩やかにすることができる事
- 本人や家族にはサポートが必要となる事
はしっかりと社会に浸透させていく必要があり、将来的には
認知症のホスピスのような施設も必要ではないかと思う
認知症相談室について
専門職からでなく、認知症の方から認知症の方へと実体験を伝える場所は
すごく重要だと思う
専門職から伝える言葉はただの情報のみで心が無いからだ
いわばニュースのようなものではないか
ニュースでは事実を淡々と伝えるだけなので
心が動きにくいし記憶が長続きしない
知らない誰かが不幸になったニュースがあったとして、
“可哀そうだ”と思っても、心がさほど動いてないのですぐに忘れてしまう
しかし、
知っている人や同じ境遇を持つ人が不幸になったニュースを観ると
自分の事と照らし合わせてしまい人ごととは思えなくなる
そして忘れずに記憶に残る
認知症という同じ境遇で困った経験をもつ家族・本人からの言葉は
今悩んでいる人に対して、重いし励みになると思う
ただ、
認知症の先輩が教えてくれたことを観て
少し注意しないといけないと思ったことがある
脳血管性とアルツハイマー性の違い
渡邊さんの行っている相談室では、認知症の種類についての説明はしておかなくてはいけないのではないか
クローズアップ現代のHPによると
高橋通夫さんはアルツハイマー型認知症で渡邊康平さんは脳血管性認知症とのことなので、同じ認知症でもタイプが違う
高橋さんのアルツハイマー型認知症の経過としては
初期に
- 記憶障害(最近の事を忘れてしまう)
- 実行機能障害(日常行為の手順がわからなくなる)
- 時間の見当識障害(日時などがわからなくなる)
- 判断力障害
がみられてきて緩やかに進行していく
しかし、65歳未満で発症する若年性認知症(高橋さんは今68歳で3年前に診断がついているので微妙な年齢)は急激に進行していくことも多い
一方
渡邊康平さんの脳血管性認知症は、
- 多発梗塞性認知症
- 重要な部位の単一梗塞による認知症
- 小血管性認知症
- 低灌流性認知症
- 出血性認知症
に分類されアルツハイマー型認知症に比べると
出来る部分と出来ない部分がはっきりしていることが多い
経過はアルツハイマー型認知症と同じように進行していくタイプもあれば
梗塞を繰り返して階段を下りていくように進行するタイプ、急激に悪化するタイプ等様々
さらには、アルツハイマー型認知症と合併している場合もある
お二人の会話の中で引っ掛かったやり取りが
(6年前に発症し出来る部分と出来ない部分のはっきりしている認知症であり、割と記憶障害が軽度の)
渡邊さんが
“囲碁ができるようになるまで2年かかった”と発言され
それを(3年前に発症し記憶障害や物事の手順がわかりづらくなる認知症で記憶障害が軽度の)
高橋さんが
納得して聞いている部分だ
高橋さんが渡邊さんと同じ経過を辿るように理解して聞いているのであれば
回復するかもしれない。という期待をさせる結果になるだろうし、
出来ない自分に対して精神的負担を強いてしまう事になるかもしれないので注意が必要だと思う
まとめ
認知症相談室への意見として少し思ったことを書きましたが
どんな認知症の方でも
出来る部分と出来ない部分を分けて考えるのは必要な事だと思うし
渡邊さんの言葉を聞いて高橋さんが生きる意欲を持ったのは事実なので全国的にもこういった取り組みが広がっていけばいいと思う
今回のドキュメンタリーを観て自分なりに分析したことがあるので
次のブログで続きを書こうと思う
最後まで読んで頂きありがとうございました